植物用語(50音順)

           花

ア行

いちじつか・1日花 開花したその日のうちにしぼんでしまう花
いちしんぴ・1心皮 メシベが1枚の葉でできている(ウメ)
えんすいかじょ・円錐花序 多くの花序のうち下枝は上の枝より長く花全体が円すい形になるもの。

カ行

かかん・花冠 花の花弁の全部。オシベとメシベの外側にある。
かけい・花茎 葉をつけないで花だけつける茎のこと。タンポポの花をつけている茎を思い浮かべればよい。
がく 花冠の外側にある部分。個々をガク片という
かじょ・花序 花の付き方は種類によってだいたい決まっている。花序とは、この花の付き方を指す言葉。
かちゅう・花柱 めしべの一部で、めしべの先端部(柱頭)と子房との間の円柱状の部分のこと。
かひ・花被 花冠とがくをあわせた呼び方。オシベとメシベをとりかこむもの。
かへい・花柄 花がじかに花軸につかず、柄がついてその先に花をつける場合の柄
きべん・旗弁 蝶形花の5枚の花弁のうちで、上側の1枚
ごうべんか・合弁花 花びらがもとでくっつきばらばらにならないもの。

サ行

さんしんぴ・3心皮 メシベが3枚の葉ででてきているもの。(ユリ)
さんぼうかじょ・散房花序 花は多数で、全体は円すい形を逆さにした形になる。柄がつき互生するが下の花の柄ほど長い。
しぼう・子房 めしべの下部のふくらんだ部分で、中に胚珠がある
しゅうさんかじょ・集散花序最初の花は軸の先端につき、その下から出る側枝に次の花をつける。これをくり返して次々に花がついていくような花の付き方のこと。
しゆうどうしゅ・雌雄同株 お花とめ花が同じ株に咲く花のこと。おしべとめしべを一つの花に持ったもの(両性花という)を咲かせる植物の株にはこの言葉は使わない
しゆうべつしゅ・雌雄別株 オスの株(おばなしか咲かせない)とメスの株(めばなしか咲かせない)が別々に分かれていること
しゅくそんがく・宿存がく 花が終わっても落ちないがく(カキ、ナスのヘタ ほうずきの袋など)
しょうすい・小穂(しょうすい) イネ科植物の穂をつくっている単位
しょうか・小花 それぞれの小穂に1個から数個つく個々の花
しんぴ・心皮 種子植物のメシベは葉が巻いて筒状になったものだが、この特殊に分化してメシベの壁をつくっている葉を言う。メシベには1枚に心皮でできているもの(ウメ)、3枚の心皮でできているもの(ユリ)などいろいろある。
すいじょうかじょ・穂状花序 すいじょうかじょ伸びる花軸に柄のない花が軸にほぼ均等に多くつく花のつきかたのこと。
ぜつじょうか・舌状花 花弁が合着し、一方にのびて舌状になった花。キク科に特有。
そうじょうかじょ・総状花序 柄のある花が多数、長い花軸に離れてついている。花軸の下の方から上に咲く。
そうほう・総包 花序の下にある多くの花に共通の包
そうほうよう・総包葉 花序の基部について花を保護している多数な小さな葉のようなものの集合体のこと。その1つ1つの葉のようなものを総包片という。キク科の花。

タ行

たしんぴ・多心皮 複数の葉が筒状に巻いてメシベをつくっているもの。
ちゅうとう・柱頭 めしべの先端部のことで、ここに花粉がつく。
ちゅうばいか・虫媒花 昆虫が受粉を媒介するもの。
ちょうけいか・蝶形花 チョウのような形に見える花。マメ科の花の特徴。5枚の花弁の上の1枚が大きく、下の4枚が左右対称についている
とうか・頭花 たくさんの小花が茎の先端部に集まって大きな一つの花のようになったものをさす。まわりの花から先に咲き出す。
とうじょうかじょ・頭状花序 花軸が短く横に広がり、円盤のような形で、その上に柄のない花がつく。ヒマワリ、タンポポなど

ハ行

はいしゅ・胚珠 子房の中にあって、後に種子となる器官。
ひししょくぶつ・被子植物 種子のもとになる胚珠が子房の中にある植物。子房が果実になる。
ふくさんぼうかじょ・複散房花序 散房花序=花は多数で柄がつき互生するが下の花の柄ほど長く全体は円すい形を逆さにした形=のひとつひとつの柄が、更に散房花序になるもの。
へいさか・閉鎖花 花を開かずつぼみだけの状態で終わる花のこと。
ほう・包 芽やつぼみをつつんでいる扁平な葉のうち、比較的大型なもの。包葉。

ヤ行

やく おしべの1部で、中に花粉が入っている袋
よくべん・翼弁  蝶形花の5枚の花弁のうちで、左右にある1対の翼状の花弁

ラ行

らししょくぶつ・裸子植物 子房をつくらない植物。胚珠も種子もむきだしになる。
りべんか・離弁花 花びらが4枚か5枚にばらばらになるもの。
りょうせいか・両性花 おしべとめしべの両方を持つ花のこと。おばな、めばなと分かれているものは単性花という
りんぺん・鱗片 マツ、スギなどの花序の外側に花被のない花を包んで保護しているウロコ状のもの

           葉

ア行

うじょうふくよう・羽状複葉  小葉が軸(葉の中心の軸)の両側に羽のようにつき、全体として1枚の葉を形成しているもの

カ行

きこうたい・気孔帯  空気や水蒸気の出入口の役割をする器官
きすううじょうふくよう・奇数羽状複葉 頂小葉を有するもの(フジ、バラ)
ぐうすううじょうふくよう・偶数羽状複葉 頂小葉を欠くもの(ソラマメ)
きょし・鋸歯  へんぺいな葉の縁につくノコギリ状のきざきざのこと。
ごせい・互生  葉が一カ所から一枚ずつ、たがいちがいに出ている状態

サ行

さんこうみゃく・3行脈  主脈と2本の側脈がよく目立つ葉
さんしゅつふくよう・3出複葉  小葉が3枚集まった複葉の形
じゅうきょし・重鋸歯 ひとつひとつの鋸歯が更に鋸歯をもつもの
じゅうじたいせい・十字対生 葉が90度づつずれて対生するもの
しょうよう・小葉 複葉についている葉身の1枚
ぜんえん・全縁  葉の縁に鋸歯や切れ込みがないこと
せんたい・腺体  ねばねばした液を出す腺をつけるところ
せんもう・腺毛  粘液を分泌するために先端にふくらみを持った毛
そくせい・束生  葉が同じところから束で出ること
そくみゃく・側脈  中央脈から横の方に出る中央脈より細い葉脈

タ行

たいせい・対生  葉が1つの節から2枚出るようなつきかた
たくよう・托葉  葉の付け根に生じる突起状、あるいは葉状の構造物
つばさ・翼  葉柄の部分にある平たく広がった構造物のこと

ナ行

にかいうじょうふくよう・2回羽状複葉 羽状複葉の小葉がさらに羽状複葉にわかれたもの
にかいぐうすううじょうふくよう・2回偶数羽状複葉 小葉が葉の中心の軸の両側に羽のようにつき頂きの小葉がないもので、分かれた先で更に羽状に分かれ全体として1枚の葉を形成しているもの

ハ行

ひしんけい・披針形 葉の両端がとがり、幅よりずっと長い形 イヌタデやユリ。
ふくよう・複葉  二枚以上の小さな葉(小葉)からなる葉のことで、全体で一枚の葉と考えられるもの。アケビ、マメの仲間などに見られる。羽状複葉と掌状複葉がある。

ヤ行

ようちん・葉枕 葉や小葉の付け根にある開閉装置の関節。マメ科の多くはこの器官で夜は葉を閉じて眠る
ようへい・葉柄  葉の柄の部分

ラ行

りんせい・輪生 葉が茎の一カ所から3枚以上出ること
ろぜっと・ロゼット 根際から葉を放射状に広げた形

           実

ア行

いちねんがた・1年型 春に開花、受粉してその秋に成熟する
えきか・液果  中身に液をたくさん含む果実のこと。ミカン、モモなど、多くのくだものは液果である。

カ行

がいかひ・外果皮  果皮の最外層。中果皮より薄くて硬い組織でできているもの カキの皮・ミカンのオレンジ色の皮
かくか・核果 中にかたい核を持つ果実(石果)
かくと・殻斗  身近な殻斗の例としてはドングリの帽子がある。包(包葉)が融合して果実を抱くようになったおわん状のものを指す。果実の下についているさかずき状、または袋状のから。多数の包葉が癒合したものである
かじつ・果実   被子植物において、種子を果皮が包んだもの(裸子植物では真の果実はできない)。発生的には、子房またはその付属器官が成熟して肥大したもの。
かしゅひ・仮種皮   種皮と種子の間にある種子を包んでいる付属組織。被子植物だけでなく裸子植物にもあり、薄い膜でできているものや肥厚して全体が果実のようになるもの<例イチイ・裸子植物なので真の果実はできない>がある。
かひ・果皮   果実の皮。子房壁が発達してできた部分で、外果皮、中果皮、内果皮の3層があり、中の種子を包む
かほう・果苞   果実をつつんでいる大型の扁平な葉
かりん・果鱗   種子を育てるためにめしべが変形したもの。熟すると木質化して開き、すきまから種子をこぼす。種鱗(種子を保護する役割)と包鱗(種鱗をささえる役割)の総称
ぎか・偽果  子房以外の部分が子房といっしょになってできた果実のこと。イチジクやナシなど。
きゅうか・球果  円錐果ともいう。裸子植物のスギや松の果実のように、雌花の球花が発達して、厚く木質になった多数の果鱗が中の軸のまわりに密についていて、全体が球形か円錐形になった果実
けんか・堅果 果皮が乾燥してかたく切れ込みがない果実。どんぐり。カシやナラなど。

サ行

さくか・朔果 多心皮で2室以上ある子房が成熟して果実となったもの。熟すと果皮が乾いて縦に裂け、種子をとばす。
しゅうごうか・集合果  単果(1つの果実)が集まってできた果実
しゅし・種子  胚と胚の保護と成長に必要な栄養を蓄えた構造。発生的には、花の時の胚珠が発達したもの。
そうか・痩果 果実の中に一つの種子しかなく、開かないもの(種子のように見える果実で果皮は薄い膜質で熟すると乾燥するがさけない。タンポポ、ウマノアシガタなど)

タ行

たいか・袋果  メシベが1枚の葉でできている1心皮で、果皮が熟すと縦に割れる果実のこと。モクレン、シキミ、ボタン...など。
ちゅうかひ・中果皮  果皮の中層。モモの場合は食用の部分。カキの食べる部分 ミカンの白色の部分

ナ行

ないかひ・内果皮  果皮の最内層。 モモでは種。バナナでは食用部。ミカンの食用部
にねんがた・2年型  春に開花、受粉して翌年の秋に成熟する

ハ行

へそ どんぐりに母木から養分がおくりこまれるところ。お椀と接する部分

ヤ行

よく・翼 カエデなどの種子についている、風を受けて飛びやすくするためのつばさ状の構造物。
よくか・翼果  風を受けて飛びやすくするための翼を持った果実


           その他

サ行

しんし・新枝 春に伸び出た若い枝
そくし・側枝 中央枝から横の方に出る中央枝より細い枝

タ行

たんし・短枝 節がつまった短い枝。年々伸びるが伸び方が極端に少ない。
ちょうし・長枝 ふつうの枝

ラ行

りんけい・鱗茎 球根の一種。短縮した茎に貯蔵器官となった葉が密生したもの 例、タマネギ、ラッキョウ、チューリップ、ユリ、スイセン、ヒガンバナ。


(参考文献)学生版原色牧野日本植物図鑑(北隆館)・野草見分けのポイント図鑑(講談社)ほか

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