2006/09/13 ノハラアザミとノアザミアザミ類は上向きに美しい花をつけるので写真を撮りやすく、クローズアップで狙うには格好の被写体になってくれます。石神井公園でも、夏からノハラアザミが咲きだし、天気の良い日には、ハチやチョウが次々に吸蜜に訪れています。 上の写真は、開花したばかりの花で、沢山の紫色の柱の先に白い花粉が見えます。 紫色の柱は、オシベが集まって上下に可動する筒になったもので、中には花粉とメシベが入っています。昆虫がやって来て触ると筒は下へ動き、上部から花粉が押し出される仕組みです。 つまり、中にあるメシベがトコロテンの棒の役割をするわけですね。 大事な花粉を無駄にしないように、昆虫が来た時にだけ花粉をだすための装置で、いつもながら植物の知恵には驚かされます。(指で触っても花粉が出るのを確認することができます) 一方、この時期のメシベは未発達なので、押し出した自分の花粉では受粉しません。 自家受粉をさけるために、植物にはオシベが先に成熟するタイプとメシベが先に成熟するタイプがありますが、一般的にアザミ類のような虫媒花にはオシベ先熟が多く、風媒花ではメシベ先熟が多いそうです。 植物の受粉は、ワンダーランドですね。(^_^) オシベの筒が花粉を出しつくすと、筒の中からメシベがのびだし、外に現れ出たメシベが成熟すると受粉可能となります。一つの花がオスからメスへ性転換するわけですね(^^; ○ノハラアザミ 8〜10月に咲きます。花の下の部分(総苞)は鐘形で、外側についている小さなトゲのようなもの(総苞片)は斜めに突き出します。さわっても粘りつきません。 ○ノアザミ 5月〜8月に咲き、春に見られるのはこのアザミだけです。花の下の総苞は球形で、小さなトゲのような総苞片は突き出さず、粘液を出して粘ります。 このアザミは、食虫植物でもないのに何のために粘液を出すのでしょうか? 葉のトゲは、ノハラアザミにくらべると、ノアザミの方が多いようです。 |