ジョウビタキ


 ヒーヒーという鳴き声がしたので足をとめると、白髪頭に黒い顔、赤褐色の胸と、コントラストも鮮やかな鳥が姿を現しました。尾をリズミカルにふりながら、ときどきピョコリとお辞儀をしています。少しづつ枝を飛び移りながら近づいてきて、思いがけなく目の前の杭にとまりました。久しぶりの出会いでしたが、相変わらずフレンドリーな鳥です。
 この鳥に会う度に名前の由来が気になるので、ちょっと調べてみました。…平安時代には単にヒタキとよばれ、枕草子にも記載がある。安土桃山時代からジョウビタキとよばれるようになった。「ジョウ」の語源としては、@上(飼い鳥として上等だから)、A常(普通にいるから)、B尉(雄の頭が灰白色で、謡曲の尉=老人のようだから)の3説がある。
「ヒタキ」の語源は、クチバシをカチカチと鳴らす音が火を焚くときの火打石を打ち合わせる音に似ているから。(鳥名の由来辞典、菅原・柿澤編著、柏書房)