2006/09/10 クルミの世界




 道の駅・雷電くるみの里(長野県東御市)に展示されていたパネルです。
先日、たまたま立ち寄った場所ですが、浅間山に近いこの付近は日本のクルミ栽培の中心地で、「くるみの里」と呼ばれているそうです。(雷電は、雷電為右衛門の生家が近いためとか)
クルミ材でつくったパネルには、地元産のシナノグルミを中心に、色々な形や大きさの実がズラリ。親切な解説もありました。
木の実が大好きな私としては、当然見逃すわけにいかず、早速デジカメを取り出しました。
以下の写真と説明はその一部です。 それにしても、このパネル欲しいなァ。(^^;
(左列上から オニグルミ・ヒメグルミ・テモミグルミ)   (中央列 シナノグルミ)  (右列上から 中央アジアのクルミ・テウチグルミ・ペルシャグルミ・右マンシュウグルミ・左クログルミ)

(オニグルミ)                     (ヒメグルミ)
●オニグルミ
日本原産で殻の表面に溝や突起があり、ゴツゴツしている事から、オニグルミ(鬼胡桃)と言います。全国に自生していて殻果の形は多様ですが、独特の風味が喜ばれ、昔から食用されています。中には自然に殻の開く種類があり、名付けて栽培もされています。
●ヒメグルミ
日本原産で殻の表面がなめらかで、ハート形のやさしいかたちからヒメグルミ(姫胡桃)と言います。オニグルミと混じって自生していて、殻果の形も多様ですが、昔から食用されています。中には自然に殻の開く種類があり、改良され名付けて栽培もされています。

(テウチグルミ)                    (ペルシャグルミ)
●テウチグルミ(カシグルミ)
中国、朝鮮から最初に渡来したクルミです。標準和名はテウチグルミですが、産地の長野県では、カシグルミ(菓子胡桃)といいます。やや小型で殻が厚く、円形や鈴型が多く淡褐色ですが、西洋種より寒さに強いクルミです。
●ペルシャグルミ
セイヨウグルミともよばれ、ヨーロッパ、アメリカから伝来した品種で、世界で最も多く栽培されています。カシグルミより大粒で、円錐形や楕円形が多く、淡黄褐色のクルミです。現在日本国内に出回っているのは、ほとんど輸入品で、このクルミです。

(テモミグルミ)                    (シナノグルミ)
●テモミグルミ
外来の栽培種と日本原産のオニグルミ、ヒメグルミが自然交配した珍しい種類です。
クルミ生産地の長野県東部、北部で、まれに見つかります。殻が厚い上、表面が凸凹しているものが多く、一対を手でもみ、健康増進やボケ防止に利用されます。
●シナノグルミ
ペルシャグルミと在来のテウチグルミ(カシグルミ)の交配種。 明治時代、通商のため訪れた欧米人がペルシャグルミ(セイヨウグルミ)を持参し、避暑に訪れた軽井沢で、地元の人に与えたことが始まりです。これが発端となって、長野県東部で集団栽培が始まり、在来のカシグルミと交配した新種のシナノクルミ(信濃胡桃)が誕生しました。実は大型で、たくさんの品種があります。

(クログルミ)                   (上・中央アジアのクルミ)(下・マンシュウグルミ)
●クログルミ
北アメリカの野生種で殻果は円形が多く、東部産は深溝があり、西部産は溝がありません。
食用より、樹が黒く堅いので、ウォルナッツ材として家具に利用されます。
●中央アジアのクルミ
原産地に近く、かってシルクロードの要所であった中央アジアは、多くの東西の産地の産物が往来しましたが、クルミもこの地を経て東の中国へと伝わりました。この種がカシグルミの元になったものです。
●マンシュウグルミ
中国の野生種で、殻が厚く溝が深く褐色です。オニグルミに似ており、特に寒さに強い種類です。