2006/06/01 キショウブ



 もう6月、すっかり陽射しも強くなり季節が夏にむかっていることが感じられます。石神井公園の池では、散歩の人がスイレンやコウホネの前で写真を撮っている姿をよくみかけます。
キショウブも今や花盛り。5月初めから咲いているので、もの珍しさはありませんが、花の鮮やかな黄色と緑の葉のコントラストは見るたびに新鮮です。


 キショウブの花は変わった形をしているので、どういう構造なのか不思議に思っていました。
図鑑を見ると、驚いたことに一番大きくてハナビラらしく見えるのはガク。ガクのつけ根の方におおいかぶさったヘラのようなものがメシベ。小さく突き出ているのがハナビラだそうです。
それでは、オシベはどこにあるのでしょうか?


 かがみこんで、メシベとガクの間を覗いてみると、オシベが見えました。黒褐色の花粉袋が、長細く2列についています。ガクにある模様は、昆虫への目印だそうです
メシベは、先端がギザギザで大きな切れ込みがありますが、この切れ込みの谷間に、柱頭(メシベの受粉するところ)がありました。
メシベ全体が同じ色なので、写真ではよくわかりませんがm(._.)m

 ガクとメシベの隙間は丸いトンネルになっていて、その奥に蜜があります。
しばらく見ていると、クマバチがやってきてモゾモゾともぐりこんでいきました。
このハチは胴が太くオシベや柱頭に接触しやすいので、キショウブの受粉には好都合な虫のように思えます

 ミツバチなど小さなハチたちは、オシベや柱頭に接触する確率が低いように見えました。
一瞬でトンネル奥まで入りこみ、蜜を吸った後は後ずさりせずに、根元のすきまから出ていってしまいました。ごちそうを失敬して逃げるイタズラ坊主のようですね(^o^)
次々にやってくるハチの中には名前を知らないものも多くて、またまた宿題がふえてしまいました(^^;