カルガモ


 「こりゃ小さいな」という声がしたので立ち止まると、カルガモの親子が急ぎ足で公園の階段を下りてくるところでした。ヒナの数は7羽、成程とても小さく生まれたばかりのようです。転がるように階段を下り切ると、身長より高い段差もなんとか跳び越えて三宝寺池の岸へ到着。次々に池の中へ飛込み、親鳥に導かれハイピッチで泳ぎ去っていきました。
 カルガモは水辺に限らす高台の草むらや藪の中でも営巣する鳥で、巣を作るのも抱卵するのもメスだけ。ヒナがかえるとすぐに水辺に引っ越しを敢行し、子育てにも一切オスの力を借りません。  その代りオスよりも社会的地位が高く、ヒナを連れたメスが頭を低く下げて突進すると、岸辺で寝そべっていたオス達は次々に立ち上がって場所を明け渡します。